新型コロナウイルスの水際対策緩和や円安の影響でインバウンド(訪日外国人客)が再び増加し、民泊は今さらに注目を集めています。
私が運営している民泊も7割が外国人観光客のお客様です。
民泊ビジネスは、大きな企業ではなく個人でも運営ができるということで、「始めてみたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか?
今回は、まずはじめに知るべき民泊の3つの種類についてまとめます。
民泊とは
民泊とは、自宅や、別荘、投資用マンションなどを利用し、宿泊サービスを提供することをいいます。ホテルや旅館などと違い、一般的な住宅を利用するところに特徴があります。
民泊は許認可が必要
私達が民泊を行おうと思った場合、原則として行政の許可を取ったり、所定の届出を行うことになっています。許認可を取らずに勝手に営業を行うと、違法民泊として刑事罰の対象となります。
必ず、規則を守って行いましょう。
許認可を得る方法は民泊の種類によってそれぞれ違います。
なので、どの種類で民泊を始めるかをまず決める必要があります。
そこで今回は、3種類の民泊制度について紹介していきます。
民泊は3種類あります
- 「簡易宿所」
- 「特区民泊」
- 「新法民泊」
民泊は大きく以上の3種類に分けることができます。
それぞれ、許認可の取得の難易度、営業できる日数などが違います。
それぞれ違った法律で制度が定められており、民泊を運営していく目的や立地、物件の特徴などに合わせて、最適な運用方法を選びましょう!
[1]簡易宿所(旅館業法)
1つ目は、旅館業法に基づいて定められた「簡易宿所」です。
一般的に、簡易宿所とは複数人数で共有して使用する宿泊所を指します。
3種類の中で最もハードルが高いながら、最も売上が立つやり方になります。
一番の特徴は、宿泊日数制限と年間営業日数制限がないため、日数に縛られず365日民泊運営が可能な点です。また、最低宿泊期間の規制もないため、一般的なホテルと同様に運営できることが特徴です
ただ、3種類の中で一番申請が難しいです。
消防設備や防犯カメラの設置など、民泊新法よりも厳しい設備規制があるため、これらの設備をクリアするのが非常に大変な部分です。
簡易宿所の主な特徴をまとめると以下の5点があります。
- 宿泊日数制限がない(1泊から何泊でも可能)
- 年間営業日数制限がない(365日運営可能)
- 申請が3種類の中で最も難しい
- 住居専用地域での営業ができない
- ホテル・旅館として扱われるため、建築基準法が定める構造設備を有している必要がある
こんな人は「簡易宿所」がオススメ!
- 民泊事業を本業として高い収益を得ていきたい!
- 営業日数の制限なく営業したい!
[2]特区民泊(国家戦略特別区域法)
2つ目は、「特区民泊」です。
特区民泊は、産業の国際競争力を高めることを目的として施行された国家特別区域戦略法で定められた国家戦略特区に指定されている自治体のみで認められた民泊です。
「国家戦略特区であれば特区民泊ができる」という訳ではなく、国家戦略特区の中で特区民泊の条例が定められている自治体で可能であるという点には十分注意しましょう。 国家戦略特区の中で特区民泊が可能な区域は、東京都大田区、大阪府、大阪市、福岡県北九州市、新潟県新潟市、千葉県千葉市が挙げられます。
基本的に年間365日を通して運営できます。
しかし、最低宿泊期間が2泊以上でなければならないなどの条件がある場合も多いので、注意が必要です。
旅館業と変わらないように見えますが、消防設備の基準がかなり緩和されており、簡易宿所での申請よりも参入しやすいです。
簡易宿所の基準の満たすためには設備を整えるのに数十万円から場合によっては数百万円かかる場合もあるため、一般的な火災報知器や消火器の設置のみで民泊が運営できる特区民泊は始めやすいです。
旅館業法に基づく営業許可は必要なく、都道府県知事への認定申請を行う必要があります。
特区民泊の主な特徴をまとめると以下の5点があります。
- 運営できる地域が限られている(特区民泊の条例が定められている自治体のみ)
- 認定手続きの手間と費用が簡易宿所よりかからない
- 宿泊日数が最低2泊3日以上
- 家主居住型民泊はできない
- 外国人観光客への対応が多いため緊急時外国語を用いた情報提供が必要
こんな人は「特区民泊」がオススメ!
- 特区民泊の条例が定められている自治体で物件を所有している、もしくは借りられる人
- 営業日数を気にせずに民泊を行いたいが許可取得の手間と費用をなるべく減らしたい人
[3]民泊新法(住宅宿泊事業法)
3つ目は、「新法民泊」です。
2018年に新しく施行された住宅宿泊事業法が定める民泊事業です。
簡易宿所の場合は現地での立ち入り検査もありますが、新法民泊の場合はオンライン上で所定書面の届出を行うだけで簡単に民泊を始めることができます。
基本的な消防設備を設置しておけば、条件さえクリアしておくことで比較的容易に申請を通すことができます。
また、宿泊施設が住宅として扱われるため、住宅専用地域での運営が可能です。
ただし、営業日数は年間180日以内に定められ、常に宿泊施設として利用することはできません。
加えて、運営方法には民泊を行う物件に家主が居住している「家主居住型民泊」と民泊を行う物件に家主が居住していない「家主不在型民泊」の2種類があります。「家主不在型」で運営を行うには住宅宿泊管理業者に住宅管理業務を委託する必要があります。
新法民泊の主な特徴をまとめると以下の4点があります。
- 年間営業日数制限がある(年間180日以内)
- 申請の難易度が最も低い
- 家主が不在の場合は、住宅宿泊管理業者に業務委託しなければならない
- 住居専用地域での営業が可能
こんな人は「新報民泊」がオススメ!
- 一時的に空き家を貸し出したい人
- 簡単に民泊を始めたい人
まとめ
ここまで、3種類の民泊をご紹介しました!
民泊は種類によって、規則や必要な設備が大きく異なります。
民泊を始めるときには、立地や予算、稼働させたい日数、運営方針に適した民泊方法を選びましょう!
今回は「まずはじめに知るべき」というテーマで「この違いだけはまず押さえよう」という点のみお伝えしました。
今回記事にしたこと以外にも、「簡易宿所」「特区民泊」「新法民泊」それぞれに細かい規則や満たすべき条件があります。また、そのことについても記事を書いていきますね!!
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