民泊の宿泊料金は、どのように決めていますか?
「ちょうど今、考えているところで決めかねているんです。」
「なんとなくで設定したけどこの価格でいいのかな?」
など、民泊での宿泊料金の設定に悩んでいる方もいるかと思います。
悩むのも無理はないです。大事なことですもんね。
民泊の運営において、料金設定はとても大切なポイントになってきます。
なぜかというと、料金設定によって
- 売上が変動する
- 予約件数も変動する
- ゲストの満足度も変動する
からです。
どのような料金を設定するかによって、1泊あたりの売上が変わるだけでなく、ゲストから選ばれるかどうかにも影響をあたえます。
では、そんな民泊を運営していくうえで大事な料金設定をどのように決めればいいのでしょうか。
この記事では、民泊の料金相場や設定方法について詳しく説明していきます。
ぜひ、この記事を読んで、ご自身の民泊の料金設定に役立ててください!
民泊の料金設定のためには運営コストについて知ろう。
民泊の料金を考えるためには、売上から支払っていかなければならない運営コストを細かく分けて理解しておくことがポイントです。
利益を残しながら運営を続けていくために、「何に対していくら払う必要があるのか」を考えましょう。もちろん「売上<運営コスト」になってしまっては運営はつづきません。
民泊でかかる運営コストは主に以下のものです。
- 家賃
- 清掃料金
- 水道光熱費
- Wi-Fiなどの通信費
- 消耗品を含む備品購入料金
- 予約サイトへの手数料
- ホストの人件費もしくは運営代行業者への手数料
- トラブルに対応するための修繕積立費用
これらの運営コストをまかなっていけることが料金設定の最低ラインになります。
まずは、ここの数字を洗い出しましょう。
家賃やWi-Fiなどの通信費は毎月固定でかかるものなので、考えやすいですね。
反対に、考えるのが難しいものでいえば水道光熱費だと思います。
なぜなら、月によって使用料と料金が異なるからです。
また、運営をはじめたばかりのころであれば、過去のデータがないので考えるのがなおさら難しいと思います。
ここで、総務省統計局の2021年「家計調査報告(家計収支編)」より、世帯人数ごとの水道・光熱費の平均額を紹介します。
世帯人数 | 電気代 | ガス代 | その他の光熱 | 水道代 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
1人 | 5,482円 | 3,001円 | 651円 | 2,248円 | 11,383円 |
2人 | 9,183円 | 4,330円 | 1,311円 | 4,344円 | 19,168円 |
3人 | 10,655円 | 4,930円 | 1,169円 | 5,749円 | 22,503円 |
4人 | 11,376円 | 4,882円 | 754円 | 6,465円 | 23,477円 |
5人 | 12,423円 | 4,883円 | 1,031円 | 7,307円 | 25,644円 |
上記の結果を見ると、水道・光熱費のうち、特に電気代と水道代は居住人数が増えるごとに増加していくことが分かります。
つまり、宿泊者が増えるにつれて、水道光熱費も増加していきます。
なので、一概には言えませんが私は1人当たり1ヶ月暮らすのに必要な水道光熱費は12,000円だと仮定して考えています。
1ヶ月12,000円なので、日割り計算にすると、
12,000円÷30日=400円(1日あたり)ということになります。
つまり、1名が1泊するのにかかる光熱費は約400円ほどだと想定することができます。
- 清掃料金
- 消耗品を含む備品購入料金
- ホストの人件費もしくは運営代行業者への手数料
このあたりも、明確に「かかるお金はこれだけ。」と計算ができるものではないので、やや難しいかもしれません。
ですが、このあたりのコストも宿泊費から支払っていけるように考えておきましょう。
とくに、「ホスト自身の人件費を確保する」ということは大事にしましょう。
民泊運営での自分の利益は、残ればラッキーぐらいに考える方もいますが、しっかり計画のなかに組み込んでおきましょう。
ここまで上で挙げた運営コストについてざっくりにでも想定金額を出すことができれば、料金設置を考えるヒントになります。
「運営コストを支払えるだけの売上を生み出して、かつ利益を残していくためにはゲスト一人あたりの宿泊料金は何円にせっていすればいいのか。」この考え方で決めていきましょう!!
民泊における料金設定の大切さ
民泊を運営するうえで料金設定はとても重要なものになります。
ゲストにとってもホストにとっても適切な料金設定をするようにしましょう。
適切な料金設定によって
- 収益の増加
- 予約数の増加
- ゲストの満足度の向上
が見込まれます。
このように宿泊料金をいくらに設定するかで民泊運営において大切なことに大きな影響をあたえます。
もう少し詳しく見ていきましょう!
民泊料金は収益の増加に影響する
宿泊料金が上がれば、収益が増加する。
これは、当然のことですよね。
1泊5000円の部屋を1泊7000円に変更したとします。
すると、単純に2000円多く利益を生み出すことができますよね。
民泊料金は予約数に影響する
では、より多くの利益を生み出すために宿泊料金は高めに設定しておけばいいのかというとそういう訳ではありません。
高すぎる宿泊料金だと、予約が入らないという問題が起こってきます。
料金設定によって、ゲストが予約をとるか、とらないかを決めると言ってもいいほど、大事なポイントだと思います。
宿泊料金が高すぎると予約が減少し、逆に低すぎると予約自体は入るけれども収益が得られないということが起こります。
高すぎてはいけないけども、低すぎてもいけない。
バランスがとても大切になってきます。
民泊料金はゲストの満足度に影響する
民泊物件の環境のクオリティーやサービスが、宿泊料金とみあっていれば、ゲストは満足してくれることでしょう。
しかし、宿泊料金が高いわりに、民泊物件の環境のクオリティーやサービスの質が低ければ、ゲストは不満を感じます。
値段に見合わない質やサービスにがっかりした経験は誰にでも1度はあるのではないのでしょうか。
自分が運営する民泊に宿泊してくれたゲストをがっかりさせないように、宿泊料金にみあった環境やサービスを提供できるように意識しましょう。
私は「環境のクオリティーやサービスに自信がないから宿泊料金は低めに設定しよう。」はもったいないなと思っています。
できるかぎり、クオリティーやサービスの向上させて宿泊料金を上げられる努力をしたほうがいいです!
民泊の料金設定方法
ここまで書いてきた通り、民泊運営の成功を左右するキーポイントは、的確な料金設定です。
しかし、「具体的にはどうやって宿泊料金を設定すればいいの?」と疑問に思いますよね。
ここからは、民泊の料金設定方法について詳しく解説します。
方法1: 運営コストから逆算して価格を決める
まず、施設の運営コストとなる家賃、清掃料金などを計算します。
- 家賃
- 清掃料金
- 水道光熱費
- Wi-Fiなどの通信費
- 消耗品を含む備品購入料金
- 予約サイトへの手数料
- ホストの人件費もしくは運営代行業者への手数料
- トラブルに対応するための修繕積立費用
これらの料金について考えましょう!
その次に、目標利益率を決めます。
そして、周辺の民泊物件の予約状況を参考にしながら、月に何名ほどの予約が入るかの見通しを立てます。
これらの情報を合わせながら、「売上<運営コスト」という赤字状態にならないように宿泊料金を設定しましょう。
運営コストを正確に把握したうえでの料金設定ができれば、経営の健全性を保つことが可能になります。
ただし、もちろんコストをカバーするだけでなく、周辺の宿泊施設の相場やターゲットとしているゲストの価値観に合わせた価格設定も必要です。
方法2: 競合価格を参考にして価格を決める
周辺の宿泊施設の料金を調査し、他の宿泊施設の価格を参考にして料金を設定する方法もあります。
このアプローチでは、市場相場に合わせて価格を決めて、ゲストが選びやすい値段にするようにしましょう。
しかし、競合を追うだけでは、値下げ合戦になってしまいます。自身の宿泊施設の料金設定をあげて利益を増やしていくことはできません。
なので、自らの宿泊施設の特徴や付加価値を考えて、周りとの差別化を図ることが大切です。
付加価値をつけることができれば、周辺の民泊と比較されたときに「安い」という値段以外の部分で選んでもらえることに繋がります。
また、時期によって変わる市場のトレンドや需要を常に気にかけて情報収集するようにしましょう。
特に、予約サイト(OTA)を通じての予約では、料金競争が激化することがあります。周辺の宿泊施設が料金設定を変更していないかなど定期的に確認することがオススメです。
需要に応じた柔軟な価格調整を行うことで、収益を増やすことができ、経営の安定に繋がります。
民泊の宿泊料金の相場ってどれぐらい?
運営コストや、周辺の宿泊施設の値段など考慮して相対的に考えながら料金設定をする必要があることはお分かりいただけたかと思います。
「でも、そもそも民泊の宿泊料金の相場ってどれぐらいなの?」と相場も気になるところだと思います。
「相場=ゲストももっている宿泊料金のイメージ値」とも言えます。こういった点からも相場を知ることも大切ですね!!
以下の表に、東京、大阪、名古屋の一泊あたりの相場をまとめました。一般的な民泊の料金相場を示したものです。ただし、季節や地域、施設の条件によって変動することがあります。
東京 | 大阪 | 名古屋 | |
2人向けアパート (約20平米) | 5,000円前後 | 8,000~10,000円前後 | 7,500~10,000円前後 |
4~6人用宿泊施設 (約40平米) | 18,000~20,000円前後 | 9,000~16,000円前後 | 8,000~15,000円前後 |
これらの価格はあくまで一般的な目安です。
ですが、相場と自身の民泊の料金設定を比較してみて、この値段設定いいのかを考える際の参考にしてみてください。
民泊の料金設定時のポイント
2つの民泊の料金設定方法について説明しましたが、料金設定を行う際にはいくつかの大切なポイントがあります。
ゲストにとって魅力的な価格で民泊を運営しつつ、ホストにとっても十分な収益を確保できるようにするために以下のポイントを意識して料金を決めるようにしましょう!
ポイント1: 利用人数に合わせたお得感をつくる
民泊の料金を設定する際に重要なポイントの1つ目は、利用人数に応じた柔軟な価格設定です。
民泊物件の宿泊可能人数を考えて、大人数やグループで予約をとれば、1人当たりの料金が安くなるような料金プランを用意することで、大人数での予約が入りやすくなります。
ですが、このときに少人数のゲストにも割高感を与えない価格を設定することが求められます。
大人数での予約がとれると売上の向上に繋がります。しかし、実際は2〜4人程度での利用が多いです。
なので、「2人で泊まっても高くない値段。だけども大人数で泊まるとさらにお得になる」そんな絶妙なバランスの料金設定ができると1番の理想です。
柔軟な料金プランが用意できていてば幅広いニーズに応えることができます。
一人旅から家族連れまで、多様なゲストに対応した選択肢を用意することで、ゲストから選んでもらえる民泊運営ができます。
ポイント2: 長期滞在はお得な価格にする
料金設定において重要なポイントの2つ目は、長期滞在にはお得な料金プランを用意することです。
ゲストに長期滞在してもらうことができれば、安定した民泊運営に繋がります。
連日の宿泊料金をいただけるだけでなく、清掃もチェックアウト後にするだけなので、清掃料金やその人件費の節約にも繋がります。
そんな有り難い長期滞在者からの予約が入りやすくなるように、短期滞在者を想定した通常の宿泊料金から割引をしてお得に宿泊してもらえるようにしましょう!
ポイント3: 物件のクオリティで価格の勝負をしよう
料金設定における重要なポイントの3つ目は、物件物件のクオリティで価格の勝負をすることです。
誰と勝負するのかというと「周辺の他の宿泊施設」とです。
数ある宿泊施設の中から自分の民泊物件を選んでもらわなければなりません。
そのときに勝負ポイントが「安い!」だと経営は苦しくなります。
十分な収益が確保できないからです。
さらに、価格競争が激しくなって安売り合戦に発展すると、さらなる経営難になっていきます。
このような事態にならないようにするためには、「安さ」で勝負をしてはいけません。
「物件のクオリティー」で勝負するのです。
物件の設備や快適さによって料金を設定することで、ゲストに高い満足度を提供できます。
新しくて清潔な施設であれば、他よりも高めの料金設定だったとしてもでも選んでもらうことが可能です。
- インテリアがおしゃれ
- キッチン設備が充実している
- おもしろいコンセプトがある
などなど、物件のクオリティーを上げるためにはインテリアや設備にこだわるようにしましょう。
写真や説明文で魅力的な特徴をアピールしながら、クオリティに見合った価格を設定しましょう。
これにより、ゲストは多少相場よりも高い宿泊料金だったとしても「ここに泊まりたい」と選んでくれます。インテリアや設備の充実など宿泊施設への投資は、長期的な収益に繋がる重要なポイントです!
民泊は地域・条件に合った最適な料金設定をしよう! | まとめ
今回は、「民泊の料金設定はどう決める?」と題して、料金設定の方法とそのポイントについて紹介しました!!
適切な料金設定ができれば
- 収益の増加
- 予約数の増加
- ゲストの満足度の向上
につながります。
- 運営コストから逆算して価格を決める
- 競合価格を参考にして価格を決める
この2点を主に意識しながら料金を決めていきましょう!!
この記事を参考にして、自身の民泊物件の料金設定や料金見直しに役立ててもらえればと思います!!
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