「民泊を始めたいけど、自分にできるか不安。」という方に向けて、このステップで準備を進められれば民泊が始められるよという6つのステップを今回はまとめていきます。
私自身、民泊を始める際には全ての手続、準備を自分で行いました。
行政書士さんや民泊運営代行会社などに外注して民泊を始めることも可能ですが、「初めて民泊をする。」という方にはあまりオススメではありませ。
なぜなら、開業までのコストは下げたほうがいいからです。もちろん資金に余裕があり時間と労力をかけずに始めたい場合は有効ですが、そうでない場合は自分で行うことがオススメです。
「自分で手続をするなんて難しそう…」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、やってみれば案外シンプルです。私も、未経験かつ民泊開業経験者との繋がりも一切無いという状況でも調べて1つずつステップを踏んでいけば始めることができました。
では、どんなステップをふめば、民泊を自力でも始められるかを紹介していきます。
個人で民泊を始めるための6つのステップ
- 物件を借りる
- 事前相談と消防設備工事
- 保健所への届け出
- インテリア・備品をそろえる
- 写真撮影とハウスルール作成
- 民泊の予約サイトに掲載
個人で民泊を始めるためのステップ1:物件を見つける
民泊を始めるには、まず「物件」がないと始まりません。
持ち家がある場合を除けば、多くの人は物件を借りてスタートすることになります。
物件の借り方は、自分の自宅として借りる場合と同じなのですが、注意するべきポイントがあります。
それは、借りる物件が「転貸許可物件」かどうかです。要するに、大家さんから又貸しの許可が得られている物件かどうかを確認する必要があります。
物件を借りて民泊を行う場合は、大家さんの許可を得ずに無断転貸することはNGです。
民泊を始めると、不特定多数の方に利用されることになるので、物損や汚れなど物件がダメージをくらうリスクも、個人の方の住居として貸す場合より格段に高くなってしまいます。そのため、トラブル防止として、又貸しを禁止している物件も少なくありません。
なので、まずは「転貸許可物件」を探しすことが民泊を始めるためのファーストステップです。
個人で民泊を始めるためのステップ2:事前相談と消防設備工事
条件に合う物件が見つかれば、「物件契約だ!」と意気込んでしまうものなのですが、必ず「事前相談」を行ってから契約するようにしましょう。
自分の見つけた物件が他の人に借りられてしまう前に早く契約したい気持ちもわかりますが、焦りは禁物です。不動産会社さんや大家さんと交渉しながら、「事前相談」を行ってから借りるようにしましょう。
では、「事前相談」とは誰に何を相談するのかというと、「市役所に借りようとしている物件が民泊可能かどうか」を相談しに行きます。
大家さんから又貸しの許可がでたとしても、そもそもその物件の地域では民泊ができないという決まりがある場合があります。物件を借りた後にその事実が発覚するということがないように、事前に市役所に確認しにいきましょう。
また、消防署への事前相談も必要です。民泊を行う許可を得るためには、消防設備の基準もクリアする必要があります。必要となる消防設備は物件の広さや、間取り、構造などによって変わってきます。
なので、事前に物件の間取り図などをもって消防署に相談をして、どんな消防設備を用意する必要があるのかを確認しておきましょう。そうすることで、どのぐらいの費用がさらにかかりそうかなどの見通しをもつこともできます。
市役所や消防署で事前相談を行って、民泊を始めるのに問題がないようであれば、いよいよ物件の契約です。
そして、その後は消防設備工事を行っていきましょう。消防設備工事では、消化器、誘導灯、自動火災報知設備、非常用照明などを設置します。必要となる消防設備は物件の広さや、間取り、構造などによって変わってきます。また、家主居住型(民泊物件に家主も住んでいる)なのか家主不在型(貸出用で家主は住んでいない)なのかでも必要な消防設備は変わってきます。
なので、消防署と共に確認しながら自分の物件に合った設備を設置するようにしましょう。実際、消防署ではとても親切に説明してもらえました。初心者で分からないことは関係各所に相談して一緒に進めていくことで乗り越えていくことができます!
個人で民泊を始めるためのステップ3:保健所への届け出
私はこのステップが1番手間がかかりました。民泊の開業許可として届け出番号をもらうためには、保健所に必要な書類を用意して提出しなければなりません。必要な書類が多くて、私は記入不備があったりなどで、2回申請のやり直しをくらいました…。
しかし、記入不備などがあっても、保健所の担当の方が「ここが間違っているのこう書き直して提出してください。」とどこをどう直したらいいかまで教えてくださったので、とても助かりました。
なので、自分で一通り書類を用意できたなと思ったのならば「これで合っているのかな」と不安が残ったとしても1回提出してみるというのもありだと思います!
以下が保健所に提出が必要な書類です。
保健所に提出する書類
保健所に提出する書類を民泊制度ポータルサイトで確認すると以下の情報が出てきます。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/procedure.html
[1] 商号、名称又は氏名、住所 [2] 【法人】役員の氏名 [3] 【未成年】法定代理人の氏名、住所
(法定代理人が法人の場合は、商号又は名称、住所、役員の氏名)[4] 住宅の所在地 [5] 営業所又は事務所を設ける場合は、その名称、所在地 [6] 委託をする場合は、住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、登録年月日、登録番号、管理受託契約の内容 [7] 【個人】生年月日、性別 [8] 【法人】役員の生年月日、性別 [9] 未成年の場合は、法定代理人の生年月日、性別
(法定代理人が法人の場合は、役員の生年月日、性別)[10] 【法人】法人番号 [11] 住宅宿泊管理業者の場合は、登録年月日、登録番号 [12] 連絡先 [13] 住宅の不動産番号 [14] 住宅宿泊事業法施行規則第2条に掲げる家屋の別 [15] 一戸建ての住宅、長屋、共同住宅又は寄宿舎の別 [16] 住宅の規模 [17] 住宅に人を宿泊させる間不在とならない場合は、その旨 [18] 賃借人の場合は、賃貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 [19] 転借人の場合は、賃貸人と転貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 [20] 区分所有の建物の場合、管理規約に禁止する旨の定めがないこと
管理規約に住宅宿泊事業について定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がない旨
この内、【2】【8】【10】は法人として許可をとるときに必要なものなので、個人の場合は必要ありません。
全ての書類をそろえるのは大変な作業に思うかと思いますが、これを乗り越えられれば、民泊開業まであと少しです。焦らず、1つずつ書類を集めていきましょう。
個人で民泊を始めるためのステップ4:インテリア・備品をそろえる
民泊を行うための許可を得ることができれば、いよいよ物件に家具や家電などを買い揃えていきましょう。また、タオルや食器など細々とした備品なども必要となってきます。
私は、初期費用をなるべくおさえたかったので新品で家具や家電を買うのではなく、リサイクルショップやジモティーなどをなるべく活用するようにしました。ただし、安ければなんでもいいという訳ではありません。価格と見た目のバランスをみて買うようにしましょう。
なぜかというと、ゲストが「ここで泊まりたい。」と思えるような内装や設備にしなければ肝心の予約が入らないからです。極端な話、ボロボロのベッドで泊まりたい人はいないですよね。中古品で探す場合も、ある程度の綺麗さを保ったものを見つけて買うようにしましょう!
また、民泊では立地にもよりますが、長期滞在の方からの予約を狙っていくことがオススメです。長期滞在での予約が取れれば、収入が安定し、清掃作業の負担も軽減できるからです。そのため、家具や家電、その他の備品などを準備する場合にも長期滞在者に好まれるものを用意することがオススメです。
たとえば、ダイニングテーブルなど食事で使うテーブルの他にソファーなどゆっくりくつろげるスペースをつくることなどが挙げられます。1泊や2泊であればソファーなどは「あれば嬉しいけどなくてもいいもの」だと思います。
しかし、2週間や1ヶ月などの長期滞在で考えれば、ゆっくり座ってくつろげるソファーはほしいですよね。
部屋の広さにもよるとは思いますが、「どんなゲストに、どんな過ごし方をしてもらいたいのか」を意識したお部屋づくりをしていくことが大切です!
個人で民泊を始めるためのステップ5:写真撮影とハウスルール作成
写真撮影
インテリア・備品をそろえた後は、民泊の予約サイトに載せる写真を撮りましょう。
ゲストの方は写真を見て「あ、この宿がいいな。」と選んでくださるので、写真撮影はとても大事なポイントです。私の場合は、一眼レフカメラをもっていたので自分で撮影をしました。かつ、近所に住む友人が広角レンズをもっていたので、それを借りて撮影することができました。
こんな風に、ある程度良い画質で写真を撮ることができるのであれば、自分で行うことができます。ぶっちゃけ、スマホでも撮ろうと思えば撮れます。
ただ、先程書いたように、ゲストはこの写真を見て予約を入れてくれるので、この写真撮影に関しては民泊開業が初めての人でもカメラマンの方に外注してもいいと思います。外注にかかる価格はカメラマンさんによりますが、安ければ5000円〜1万円の間で依頼することができます。
本格的に依頼すると2万円以上の場合もありますが、一軒目のスタートとしては5000円〜1万円でそれなりに撮ってくださる方を探すのがオススメです。5000円〜1万円であれば、1、2回予約が入ればペイできるような価格ですよね。
自分で撮るか、写真が得意な方の力を借りるかを考えて、ぜひゲストが魅力的に感じるような物件の写真をとってください。
ハウスルール作成
「ハウスルール」とはゲストに守ってもらいたい家のルールのことです。万が一、起こったら困ることを想定して、事前に民泊施設をどのように使ってほしいのかを説明しながら注意喚起しておきましょう。
民泊では海外からの利用者もけっこう予約が入ります。なので日本では常識やマナーとされていることでもハウスルールに記入しておくことがオススメです。たとえば、「家では靴を脱ぐ」などです。また備品は持ち帰らないようになど、人として当たり前に感じるようなことでも書いておきましょう。
ハウスルールを細かく書きすぎることにはじめは抵抗があったのですが、いざトラブルに発展した場合に自分や他のゲストの方を守るために必要なものだと感じてからは、ハウスルールをしっかり設定するようになりました。なので、予約サイトに掲載するまえに、自分の物件で起こり得るトラブルを想定しながらハウスルールを作っていきましょう。
個人で民泊を始めるためのステップ6:民泊の予約サイトに掲載
さて、とうとう最後のステップに到達しました!!民泊の予約サイトに掲載していきましょう!
私がオススメする民泊予約サイトはAirbnbです。Airbnbは世界最大級のサイトなのでそれだけ宿を探すのに利用する人も多いです。掲載さえしてしまえば、あとは世界最大級サイトのAirbnbが集客してくれるといっても過言ではないぐらいです。
そして、それほど強い集客力をもっているにもかかわらず、Airbnbは手数料が安いんです。他の予約サイトの手数料が平均10%ほどなのですが、Airbnbは3%です。めちゃくちゃ安いんですよね、本当に有り難いです!!
なので、Airbnbだけでは思ったように予約が入らないという場合は、Booking.comなど他の予約サイトへの掲載も考えるといいと思いますが、まずはAirbnbに掲載することがオススメです。
登録に際しては、登録代行業者もいますが、そんなに難しくないので十分自力でできます。基本的には入力フォームのような型があるので、それに沿って入力して写真をアップすれば難なく登録できます。
【まとめ】個人で民泊を始めるための6つのステップ
今回は、個人で民泊を始めるための6つのステップをまとめました!読んでみてどうでしたか?「自分で手続をするなんて難しそう…」と不安に感じていた方が少しでも「これならできそう!」と感じてもらえたなら嬉しいです。
民泊開業までにやるべきことはたくさんあるようで、やってみれば本当に案外シンプルです。私も、未経験かつ民泊開業経験者との繋がりも一切無いという状況でも始めることができたぐらいです。民泊開業を目指して、1つずつステップを踏んでいきましょう!
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